ノイズ除去プラグイン Waves Clarity Vx PROの感想
ミックスマスタリングや各種動画の整音サービスを運営している山川@HSR です。
2022.3月にプロアマ問わずユーザーが多い人気プラグインメーカー Wavesよりノイズ除去に特化した Clarity Vx PROと廉価版のClarity Vx が発売となりました。メーカーのプロモーション動画を見試聴して興味を持ち、購入して試してみた感想です。
iZotope RXのモジュールを複合的に使用した過去動画と同じ素材でWaves Clarity Vx PROを適用してみたのが下記の動画。車が多いロードサイドで自撮りしたもの(iPhoneSE)なので、実用としての参考になればと思います。
・難しいノイズ除去系のプラグインがグッと簡単に
使用DAWはお馴染み Cubaseの兄貴分Nuendo。各種メーカーのDAWでも問題なく使用できます。動画のオーディオトラックにシンプルにインサート。リアルタイムで画面キャプチャーしました。
中央のノブを動かすだけで声以外の除去バランスが調整できるので、動画の音声でその変化が体感できると思います。さすがに振り切ってしまうと不自然になりますが、こんなにシンプルな操作でハイクオリティなノイズ除去が可能。ちなみに同じ動画を iZotope RXで複合的に音声処理したものも確認できます。
PRO版が帯域別のノイズ調整ができたり、アルゴリズムの選択などより細かな調整が可能。こちらはやはり映画などディティールを極めるクリエイターにはかゆいところに手が届きそう。しかしシンプルなノイズ除去なら廉価版のClarity Vxでも充分なクオリティです。
・ボイスコンテンツ全般に有効
人の声に特化されたプラグインなので、主にインタビューやナレーション、役者さんのピンマイク素材の整音に適しています。自宅でナレーション収録を行うとPCのファンやエアコンの環境音対策が面倒ですが、Clarity Vx 簡単にカットできます。また上の参考動画のように車通りが多い、野外ロケ先でのインタビュー等も背景音を強力にカットできるのでノイズ混入によるトラブル回避がしやすい。まだ細かな素材を試せていませんが、ある程度の音量で声の素材が録音できていることが前提だと想定されます。
自主制作映画で複数の役者に対してピンマイク収録した音声トラックにも使いやすそうですが、わりと極端に作用するので繊細な表現をするにはアルゴリズム設定や細かな匙加減のノウハウ構築は必要となりそうです。
・宅録ボーカルにも心強い
ナレーション同様、環境音の混入が多い宅録ボーカリストにも実用的。こちらも極端なセッティングだと変な声になってしまうので、反響など、物理的な対策した上で使用するとかなりいい感じになりそう。廉価版の CLARITY Vxはボーカル録音や生楽器を録音するユーザーもターゲット。特にボーカルはノイズ対策しておくと、その後のエフェクト処理も格段にやりやすくなり、クオリティアップに直結します。
まとめ
・とにかく効果がわかりやすいのでノイズ除去初心者にも使いやすい。
・自撮り中心のYouTuberや整音ノウハウが乏しい動画編集者も導入しやすい。
自分の耳で不自然じゃないポイントさえ探れば、間違いなくクオリティアップに繋がります。
頻繁に動画・音楽配信する方なら、廉価版のClarity Vxはひとまず手に入れておいて損はないでしょう。