Rework with「ハナミズキ」にREMIXで参加! 結果はいかに?
Reworksハナミズキとは
2023年、一青窈さんによる国民的ヒット曲「ハナミズキ」のレコーディング素材を参加者が自由に使って、サブスク配信リリースできるという二次創作楽曲プロジェクトが「Rework with「ハナミズキ」です。
公開されたパラデータ(楽器や歌、コーラスが別々に録音された素材)を使用して、自分のスタイルで「ハナミズキ」を再表現するという趣旨の企画。そんな企画に編曲家とサウンドエンジニアの両方の立場でチャレンジしてみました。
ヒットソングのパラトラックを拝む機会はほとんどない
楽曲パラデータを活用したミックスコンテストは、スキル試しにチャレンジすることもあります。しかし、誰もが知るような国民的ヒットソングがその対象になるケースは珍しく、サウンドエンジニアとして個別トラックの作り込まれた音を聴いてみたいという興味が先行したのが応募のきっかけ。
ベーシックなバンド編成+ストリングスセクション
で構成された、武部聡志氏によるシンプルで美しいアレンジ。デジタルチックな打ち込みセクションはなく、アコースティックピアノを軸に全て生楽器(エレキギターは入ってます)のトラックはまさにJ-POPスタンダードと呼べる安定感と完成度を誇っています。
リヴァーブやディレイなどの空間系エフェクトはカットされたパラデータはとても貴重で、第一線で活躍するプロエンジニアのスタジオワーク。定番的ながら生ドラムのルームトラックのアンビエンスや、温かみと強さを持ち合わせたは各トラックはそのままミックスしても充分に楽しめる素材でした。
一青窈さんのボーカルを再定義したスペイシーリミックス
」
こちらが私がリミックスしたトラック。各種サブスクでも配信していますので気に入った方はフォローいただけると嬉しいです。
楽曲の基本構成は変えずに、2023年スタイルの新たなスタンダードを生み出そうというコンセプトでリアレンジに近い形で仕上げました。
私はCera-MiXXという名義でオリジナル音楽作品も発表しており、折角ならそれらのテイストも織り込みたいと、スペイシーな音世界を目指しました。
企画の仕様上、バージョン名は入れられなかったのですが
「ノスタルジー・スペイシーミックス」
というイメージ。
ボーカルトラックに超ロングリヴァーブを適用。
Korg Opsix Nativeによる郷愁をイメージするフレーズからインスピレーションを受け、
時空のうねりを感じる音世界を構築。
サウンドとしてのリファレンストラックとしては
カニエウエストやTHE SPELLBOUNDなどリヴァーブを積極活用して音響世界に拘っている作品の影響下で仕上げています。
使用したオリジナルパラトラック
・一青窈さんのメインボーカル
・コーラス(カットエディット)
・アコースティックギター
・ストリングス(一部チョッピング)
使用音源・プラグイン
・アレンジ&マスタリング Nuendo13
・ミキシング ProTools Studio
<SYNTH>
KORG Opsix Native / Modowave Native
U-he Diva
Spire
IK Multimedia Sample Tron
IK Multimedia Hammond B-3X
Native Instruments Massive X
Native Instruments Kontakt7
など。
その他、エレキギターも自らの演奏でダビング。
優秀作品の結果は?
優秀作品は日本テレビ「SENSORS」の番組にて取り上げられる可能性があるとのことです。
ぜひどんな二次創作作品が評価を得たのか気になるところ。
最終結果
【TuneCore Japan賞】Cat Fighter
現在形のエレクトリックサウンドにうまく融合されたリミックス。こういう今の音を感じるリミックスがこういう企画には合うようですね。カッコいいです。
【SENSORS 賞】田島ハルコ
こちらは自ら歌唱した元気いいバージョン。ボーカルエディットもボカロ世代的な積極的な雰囲気もあってクールです。
【一青窈 賞】HUSKYakaDaNas
サビの部分を利用したラップバージョンはすぐにアイディアになりそうな感じですが、しっかりと形になっていますね。一青窈さんもいつか共演したいとのことでした。
メジャー楽曲のリミックスや二次創作企画はこれから少し盛り上がりそうな気運がありますね。自分の制作バージョンも僅かながら再生があり、収益も発生してました。創作本人だけではなく二次創作したクリエイターも売名になったり、その結果でフォロワが増加する取り組みとなればインディペンデントアーティストもチャンスが広がりそうですね。