Pultec EQP-1真空管イコライザーを知ったらもう手放せない?

どうしてイメージしている「あの音」にならないのか?宅録クリエイターはそんな悩みが尽きません。あなたはEQの単体プラグインをお持ちだろうか?

そんなのDAWに付いているもので充分。必要性を感じないクリエイターが多い。名器と呼ばれる高級エフェクターがシミュレーションされて販売されるにはやはりその理由があります。筆者も使ってみたらもう手放せなくなった極上のヴィンテージイコライザーを紹介します。

極上のサウンドを生み出すパラメトリック・イコライザー

Pultec EQP-1について紹介します。極上のサウンドをもたらすことでな有名ヴィンテージのイコライザー。真空管が利用されたこの3バンドイコライザーはDAWにデフォルトで装備されたEQとは一線を画す、実に音楽的なポイントを押さえた音作りが可能です。

再現したプラグインが10社以上で発売されているとのこと。実機は1950年代から日の目を浴びなかった時期もあったようですが世界中のレコーディングエンジニアに支持されており、無数のセッションで利用されまくっています。

ヴォーカル素材に対しての視聴動画です。滑らかな倍音が加わるからヴォーカルにも相性バッチリ。低音ブレスのニュアンスや広域の抜け感まで、通常のEQでは再現できない滑らかさを感じさせます。

Pultecを再現したプラグインを手に入れる

ヴィンテージ機材は中々本物は手に入れることができませんが、UADやWAVESからエシミュレーションされたプラグインが出ています。

WavesとUADのプラグインを同じセッティングにして視聴比較している動画です。入力感度の違いもありますが、(WavesのトータルGainが持ち上がっているのはなぜ?)Wavesの方が明るく派手に倍音が乗っかった感じ、UADはやや落ち着いついた印象ですが、この動画では中低域にタイトさを感じます。ピアノは倍音も多く比較サンプルの視聴に良い素材ですね。

使い始めたらもう手放せない

筆者はUAD版を利用しています。オーディオI/Fのapollo購入時にバンドルされており、気づかないまま、立ち上げることもなかったのだけど、その魅力にとりつかれてから骨格になるキックやベースの音作りには手放せないプラグインになりました。真空管独特の通しただけで独自の倍音が加わり、なんとも言えないツヤというかコシが出て、「魔法」と呼ばれるのも納得するサウンド。楽器のリアリティとともにプロを感じさせるスパイスが香ります。

同じ周波数エリアをブースト&カットができるのが特徴です。そんなのチャラになっちゃうから意味がないかと思われるかもしれませんが、ブースト(BOOST)とカット(ATTEN)するする周波数ピークポイントが微妙に違います。ATTENの方がほんのすこしだけ上の帯域に影響を与えるように感じます。

キックドラムなど60Khz付近の太い低音をブーストするとこもりがちになる音像を繊細にタイトに締めたりできます。キックやベースはもちろん、デジタルミュージックにおけるステレオバスで使用しても「ずるい」と感じるくらいリッチでウォームなサウンドをもたらします。

レコーディングスタジオの定番、青いパネルが特徴的なTUBE-TECHのPE1Aはこのサウンドの再現を目指し開発されたとのことです。

実機によるベース、ドラム素材に対してのテスト動画、ダイヤルの回し方が極端ですが、音作りに対しての効果が解りやすい。キックやベースの基盤になる音作りはこの種のチューブ機材の使用で、全然グレードが変わってしまいますね。

音作りがとても難しいアコースティック・ギターも、いい感じの倍音が加わりますね。

 

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本当に素晴らしい魔法のようなEQ

「プロってずるい!」と感じさせる代表的エフェクターの一つ。機材メンテナンスができない宅録クリエイターにとって、相当価値の高いプラグイン。EQってDAWやソフトウェアシンセなどにも標準搭載されているから、追加する単体プラグインとして購入するきっかけがなかったりしますが、音作りのベースになる箇所で使用するとやはり仕上がりのグレードに差が出ますね。全てのトラックにインサートしてみたくなるような魅力がある魔法のエフェクトです。プラグインのフリートライアルをお勧めします。

DSPのパワーは消費するのでUAD-2を所有していないユーザーはどんどんバウンスしながら使用しましょう。

 

音楽Hi-TeQ< Hybrid Sound Journal.net>

最後までお読みいただきありがとうございました。

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SoundRefomer@yamakaWA!!!

音楽・音声のリフォームサービス「HybridSoundReform」代表の山川です。 東京コンセルヴァトアール尚美 音響芸術課卒業。 高校卒業後、レコーディングエンジニアを志し同校に入学。在学中に作曲制作に目覚め卒業後は本格的に作編曲活動を開始。バンド活動をスタート。音楽プロデューサー久保田さちお氏の支援を受け、日本コロンビアよりミニアルバムを発表。 バンド解散。その後結成したユニットで数社のオーディションに通過、TBSの深夜番組「デジ屋台」出演などを果たすも大きな反響には至らず音楽活動をフェードアウト。100曲近くの楽曲を残しサラリーマンとして第二の人生を歩む。 インテリア業界でキャリアを重ね上場会社の営業本部長に就任。実家に帰省時、バンド時代の古いVHSテープを発見したことから音質改善の可能性に目覚める。 2015年 録音物の修復・改善・高音質化を手がける 「ハイブリッド・サウンド・リフォームドットコム」設立。

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