2020年音質改善サービス総括

問題のある音声・動画ファイルの音質改善サービスを運営している山川です。今年は五輪イヤーに浮き足立った年始を迎えたはずなのにまさかのコロナ禍。全世界のライフスタイルに影響があったくらいですから、当然弱小個人事業主への逆風を強く感じた一年。年の最後に今年を総括したいと思います。

2020年音質改善サービス総括

  • ZOOMに絡む案件が増えた
  • リモート演奏のミックスはピッチ補正付き
  • 係争・離婚はいつでも安定
  • 映画系はほぼなし
  • ライブビデオのアーカイブが復活

本業の音質改善サービスは結果、売上は大きく伸びました。4月の緊急事態宣言下、営業サイト(hybridsoundreform.com)のトラフィックはこれまでの最高値を記録。流石に4、5月の売上は少なかったですが、巣篭もりや生活様式の変容に伴い需要は上がっていると感じています。

すっかり定着したZOOMからのおこぼれ

会社勤めビジネスマンにすっかり定着したウェブ会議システムのZOOM。流石にリアルタイムに絡むことはありませんでしたが、ZOOMにはそのやりとりをアーカイブ(動画として記録する)動画の音質を改善するニーズがありました。

ZOOMはリアルタイムやりとりをスムースに行うため、音声データの通信容量をややケチっており、もともと音質があまりよくありません。それに加え、使用に不慣れな会話者のマイクセッティングトラブルなどが絡み、非常に聴きづらい音になってしまうケースがあるようです。

ZOOM収録したウェビナーをYouTube配信する際には改善したいというニーズが多数ありました。難易度がもっとも高かったトラブルは音の遅延によるやまびこ現象でした。ZOOMは中途半端ではなく、すごく酷い状態が多いので見積が高騰してしまう場合が大半でした。企業からの依頼のため、高単価案件が納品できたことは助かりました。

プロからアマまで流行った音楽のリモート演奏

YouTube上ではコロナで一緒に演奏できないオーケストラや学生のブランバンドによるリモート演奏動画が話題になり、チャレンジした楽団も多いのではないでしょうか。

1人だけ川原で演奏したから、風のノイズを除去してほしいという相談もありました。しかしアマチュアが個別演奏してリモート演奏するには技術が足りないという問題も出たりします。大所帯のバンドでも個別で録音しているためピッチ補正やタイミング修正ができることに気づいたクライアントから相談があり、この時期ならではの編集のお手伝いをさせていただきました。

係争・離婚はいつでも安定

会社絡みの裁判沙汰や離婚調停の問題は、コロナ禍においても関係なく進行しています。こちらは変わらず一定数の相談があります。最近はICレコーダーよりiPhoneなど、スマートフォンでのボイスメモアプリによる会話内容の明瞭化はニーズが高いです。これらはせめてファミレスのテーブルなど、対話者の声がマイクまでの会話が近いことが顕著な改善を期待できる目安。

部屋の隅にセッティングして内容が聞き取れないという相談も多いですが、このような場合は改善ができないことが大半。(このような相談件数は多く、40〜50%くらいは課金採用いただいている)

映画系の整音依頼はほぼゼロ

この数年、自主制作映画やドキュメンタリーを中心に小規模映画作品の整音依頼を受ける機会が増加しておりましたが、2020年は4月以降はほぼゼロ。年末になってYouTube配信ドラマの依頼があるのみでした。

予算が大きな大作ですら、公開延期などの対応を強いられている中、いつも限られた予算で制作されている小規模作品は無期限延期になるプロジェクトも多そうです。映画は細かな修復はもちろん、アンビエンス音の調整やナレーションの仕上げまで多岐にわたる編集。自身の技術を総動員できるのでギャラはさはど良くなくてもモチベーション高くお仕事ができます。

2021年は少し活性化すると良いのですが。少しご予算がタイトになったプロジェクトからのご相談もお待ちしております。

ライブビデオアーカイブのリマスター依頼が盛況

リピーターを中心にバンドマンの過去映像の高音質化作業も多く受注いただきました。ハイブリッドサウンドリフォームサイトを立ち上げたきっかけは自らバンド出演したVHS。プロのライブ音源と雲泥の違いがあるアマチュアのライブ音源を何とかしたいという使命感から始めたサービスです。

ライブハウスはクラスター発生が話題になり、コロナ禍に置いてもっとも逆風が吹いた業種と言えるでしょう。アマチュアバンドの出演もしにくい期間が続きました。特に緊急事態宣言下では、活動を閉ざされたバンドマン達もこれまでを振り返るキッカケになったようです。

活動できない分、これまでの貴重なパフォーマンスを美しくリマスターしたいという欲求が向上したのかもしれません。過去のビデオ音源をまとめて依頼いただくリピーターさんもいらっしゃりました。

ライブ音源は演奏に自信がある方ほど、チープになってしまいがちな録音に満足できません。依頼者の演奏レベルがおおよそ高いのも特徴です。

 

さてこのブログを執筆していたら、年をまたいで新年を迎えてしまいました。生活様式が激変する中、オンラインサービスは活性化しています。これまでは対面や知り合いが優先されたサービスにも大きな転換点かもしれません。

僕は上記サービスを展開しながら、音楽や舞台系の動画編集なども行なっております。提携の受託先があるのですが、そちらは残念ながら激減しています。学校関係が多かったというのもありますが、売上の保険として捉えていた仕事がなくなるとは何が起こるか分からないものですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

SoundRefomer@yamakaWA!!!

音楽・音声のリフォームサービス「HybridSoundReform」代表の山川です。 東京コンセルヴァトアール尚美 音響芸術課卒業。 高校卒業後、レコーディングエンジニアを志し同校に入学。在学中に作曲制作に目覚め卒業後は本格的に作編曲活動を開始。バンド活動をスタート。音楽プロデューサー久保田さちお氏の支援を受け、日本コロンビアよりミニアルバムを発表。 バンド解散。その後結成したユニットで数社のオーディションに通過、TBSの深夜番組「デジ屋台」出演などを果たすも大きな反響には至らず音楽活動をフェードアウト。100曲近くの楽曲を残しサラリーマンとして第二の人生を歩む。 インテリア業界でキャリアを重ね上場会社の営業本部長に就任。実家に帰省時、バンド時代の古いVHSテープを発見したことから音質改善の可能性に目覚める。 2015年 録音物の修復・改善・高音質化を手がける 「ハイブリッド・サウンド・リフォームドットコム」設立。

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