SONYミュージックビデオレコーダーは安すぎじゃないのか?

音楽の演奏を奇麗に収録するって難しいですよね。ハンディカムで録った音楽はどこかチープで、テレビ放送などで試聴する演奏とは大きく差があるもの。最近ではYouTubeやニコニコ動画で自らの演奏を自撮りするミュージシャンも多い。彼らはどんな機材を使っているのかをリサーチしていたら、「ミュージックレコーダー」というソニーの音楽専用ビデオレコーダーを発見。発売からはかなり経過していますが改めて取り上げます。

SONY ミュージックビデオレコーダー

参考価格帯:¥25,500〜¥35,497   

(2018.5現在 公式サイトにて販売終了を確認。残在庫で価格が倍以上に高騰しています)

いわゆるミュージシャン向けに特化されて開発されたビデオカメラ。

①音がいい

②プレイヤーに近い位置でも広角で録画できる。

③WiFiで簡単に動画UPが可能。

ソニーは80〜90年代に世界中のプロ向けレコーディングスタジオのレコーダーでスタンダードになった製品も開発しており、音楽関連機器の開発ノウハウはカメラメーカーとは一線を画す存在なので、音に関しての信頼感は抜群。

48k/16bitはCD以上の非圧縮の解像度を持っていますがデジタルスペックよりも他社を凌駕するのはマイク。公式サイトではさほど詳しく解説されていないが、音声の収録で最もインパクトが高い部分の完成度は抜群です。また、大音量の音楽、ダイナミックレンジが広い音楽を収録するときに優位なリミッター(音を圧縮する音声技術)が、音楽用に開発されているせいで、音割れを防ぎ、かなり高い音圧でも収録できるのもポイントです。

大音量でのリハーサルスタジオでも問題なく奇麗な音での収録ができます。

個人的にはベースなどのローエンドが奇麗に納まっているのがとても秀逸と感じました。YouTubeで多くのアマチュア作品を調べてみましたが類似商品より音に関しては一つ抜けている感があります。

動画はオマケと考え、簡易的なリニアPCMレコーダーとしてみても2万円代で音楽収録できるコストパフォーマンスはかなり高いと思います。amazonでもかなり満足度が高く、前向きなコメントが多く寄せられています。

Amazonのレビューより抜粋

一言で言うなら「マジで最高!!感動!!」

2日間(おそらく20時間は録音してる)使ってみましたが、
どの動画もスタジオの音を見事に再現してました。
メンバー全員で音を聴きましたが、皆で感動してました。
たかが練習動画でここまで感動したのは初めてです^^。

買って損したと思うSONY製品には何度も出会ってますが、
本当にこの値段で赤字じゃないのかってSONYを心配したのは初めてです笑(最高の褒め言葉)
良いところと悪いところをまとめました(バンドメンバーの意見含む)

■良い点
音質がありえないくらい良い(感動します)。
デザインが良すぎる(部屋に飾れるレベル)。
WiFiで接続するとリモコン変わりになる&画の確認ができる。
音が割れない(ベースアンプの目の前に置き、フルテンで演奏しても割れない)。
レベル調整がいらない(オーディオレベルを調整しなくても、バランスよくとれます)。
質感がよい(3万の家電には見えないです)。
広角(狭いスタジオでも全員入ります)
音モードの記録時間が半端ない!(5時間のスタジオ練習でもバッテリーがなくなりませんでした)

■悪い点
ズームがない(今のところそれほど困ってませんが、、、あえて言うならです)。

tascam、zoomあたりの高音質・大音響対応のボイスレコーダーを考えていたが画がある方が便利なのでこれを買ってしまった!
綺麗な絵で、音も良い。画角と集音範囲がシンクロするっていうコンセプトに脱帽。ただ、吹かれには本当に弱いので屋外使用の際には対策が必須。不満なのは設定等がカーソル動かして云々っていう昔ながらのやり方。購入者を唸らせるような画期的な合理的操作体系が用意されていたら人に勧めまくっていたでしょう。そしてソニー復活は確実。ともあれ、避けていたソニー製をまさか買うとは思いもよらなかった。それくらい良くできた製品。
自撮りのためのモニター位置やズーム、外での吹かれの弱さは指摘されていますが、音に関しては皆さん高い信頼を寄せています。外部マイク入力もあるので、環境に応じて更にグレードアップが望めそうですね。
 
こちらにはスマホや通常のハンディカムなどで収録した場合の分かりやすいサンプル動画がアップされています。

「Music Recorder」の実使用サンプル集

 
購入に関して比較対象となるのはZoom社のQシリーズのようです。Zoom社といえばエレキギターなどを演奏するミュージシャンにはお馴染みの楽器廻りのエフェクターなどを作っているメーカーですね。映像に関しては少し厳しいコメントも目立っていましたが、こちらは更に高解像度のハイレゾ収録が出来るとのことです。
 
いずれも至近距離が強いみたいなので、ライブなどでは客席前方に固定セッティングして、良い音を収録し、スマホなどでサブ画像を収録すればかなりハイクオリティのライブ映像も制作できそうです。
 

バンドマンにありがちな風景

あまり店頭で見かけないのはなぜ?

用途を限定したビデオカメラだから、郊外の小さな家電量販店なら取扱いができないのも分かりますが、秋葉原のヨドバシカメラにも品揃えされていませんでした。総合メディアストアにはぜひ品揃えしてほしいアイテムの一つです。多くのユーザーはネット経由で購入していることが想像できます。
 楽器店などでイベントとかは企画しているのでしょうか?楽器店でもこのレコーダーはあまり見かけない。文化的分野でのプロダクトはSONYの強みだと思うのだけど。Goose Houseとかと派手にプロモすれば良いのに。
 

YouTubeで再生回数を増やすなら

ニコニコ動画ではボーカロイドや「歌ってみた」などで多くのクリエイターやパフォーマンスをするアマチュアミュージシャンが映像作品を発表している。音楽、映像、レコーディング、マスタリング、イラストなどを手がけるクリエイターがコミュニティーの中で縦横無尽にそのコラボレーションが行われている。

その中で「Mix師」なるキーワードを繁栄に見かけるようになった。自身が自撮りした演奏データをMix師に渡し、音加工をしてもらうというものだ。ニコニコ動画ではランキングなどもあり、個々のクリエイターが多くの人に作品を認知してもらうため工夫を重ねる文化圏が出来上がっている。Mix師の活躍は音素材の編集も重要要素としてのニーズが高まっていることが伺えます。

最大の動画サイトであるYouTubeは無数の動画の中、そのクオリティが微妙だと偶然見つけてもらってもスキップの対象にしかなりません。特に音楽は「その音」によるクオリティが一瞬で判断されてしまいがち、ミュージックレコーダーのような存在は自ら発信を考えているミュージシャンにとっては心強い存在といえるでしょう。 

ライブハウスでの有料オプション撮影はもういらないかも

2万円台のカメラでここまで良い音が収録できれば、わざわざライブハウスに有料でオプション撮影してもらう意味はないかもしれませんね。
 
これでちょっとマスタリングすればリスニング音源としても使えそうです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 
 
SoundRefomer@yamakaWA!!!

音楽・音声のリフォームサービス「HybridSoundReform」代表の山川です。 東京コンセルヴァトアール尚美 音響芸術課卒業。 高校卒業後、レコーディングエンジニアを志し同校に入学。在学中に作曲制作に目覚め卒業後は本格的に作編曲活動を開始。バンド活動をスタート。音楽プロデューサー久保田さちお氏の支援を受け、日本コロンビアよりミニアルバムを発表。 バンド解散。その後結成したユニットで数社のオーディションに通過、TBSの深夜番組「デジ屋台」出演などを果たすも大きな反響には至らず音楽活動をフェードアウト。100曲近くの楽曲を残しサラリーマンとして第二の人生を歩む。 インテリア業界でキャリアを重ね上場会社の営業本部長に就任。実家に帰省時、バンド時代の古いVHSテープを発見したことから音質改善の可能性に目覚める。 2015年 録音物の修復・改善・高音質化を手がける 「ハイブリッド・サウンド・リフォームドットコム」設立。

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