フジロック初参戦のあなたに役立つ7か条

暑くなってビールも美味しい季節、そう夏フェスシーズンが到来です。国内の単独アーティストがオーガナイズするイベントも近年目立っていますが、誰もが知り、ミュージシャンも出演に憧れる日本の夏フェスといえばFUJI ROCKFESTIBALです。出演アーティストだけでは語り尽くせない圧倒的なイベント。まさしく音楽バカのための夏フェス。

集客が前提とされているスタジアムでのライブイベントと違い、山深い苗場スキー場で開催されるFUJI ROCKは都会的な利便性はありません。買えばいいだろう、行けば何とかなるだろうと気を抜いていると天国が地獄になってしまうケースもあります。サマソニ感覚で参戦すると「二度とごめんだ」と嘆く人もまれにおり、はっきりと好みが割れます。苗場場所を移し18年、年々進化し便利さも向上。10年以上にわたりフル参戦を続けた筆者の体験をポイントとして要約します。

①覚悟すべき。天候についての予備知識

7月後半の苗場は天気予報と関係なく雨が振りやすい時期。雨の予報なら確実に雨。晴れの予報でも時間帯により雨。雨が振る前提での準備は必須です。(2016,2015年参戦の人は超ラッキーです)日本海側と関東平野を分断する山脈に位置し太平洋側と日本海側の気流がぶつかる土地がらか現地ニュースの天気予報すら当たりにくい土地です。(今年2018.7.20現在)は猛暑が懸念されますが雨具は絶対に保険として用意しましょう

スキー場なので冬は雪が降りやすい→雲が発生しやすい場所ということ。標高1000メートル近い場所に位置し、夜は気温も低く軽装備だと体調を崩すリスクがあります。雨具にはケチらずお金をかけましょう。山の雨は激しく冷たく、コンビニカッパでは悲惨な目にあいます。この18年間、雨具を一度も出さなかった年は2回くらいしかありません。初心者による富士山登山の軽装が問題視されていますが、最低限のアウトドア装備は必要。もちろん晴れた時のパラダイス感は最高なので上手いビール飲みまくれる良いイメージを共有しましょう(笑)   

②4日間フル参戦用 持ち物リスト|重要度レベル付き

絶対注意ポイント(雨が降ることを前提で準備ください、振らない確率は10%前後)

<会場内持ち込み編>

☆☆☆雨具(登山用のゴアテックス対応のモノがおすすめ)

・携帯性や折りたたみ、降雨時のリュックも含めての雨防止をするなら大きめのポンチョがオススメ。新品じゃない場合は防水、撥水処理もしておきましょう。スプレーじゃなく、洗濯機でコーティングできるものがおすすめです。山の雨が振るのでコンビニカッパだと相当つらい。目が開けられないレベルの雨が振ります。広大な会場内は雨がしのげる場所は限られており、原則的には木々の生い茂る森の中、土砂降りが数時間続いても「心が折れない」対策が必須です。筆者は水中眼鏡を持参すればよかったと思うほどのひどい土砂降りを幾度となく経験しています。

☆☆折りたたみ長靴

・1日でも雨が降った場合、ほとんどの場所が泥でぬかるみます。汚したくない靴は宿に置いて参戦しましょう。確実に晴天が期待できる場合を覗いて(ほとんどない場合が多い)長靴がもっとも快適。長距離を歩くのでフィットしないときはインソールを入れましょう。トレッキングシューズでも良いけど降雨の際は靴下が濡れ気持ちが悪い。※傘は会場内での使用が禁止されています。

☆ジップロック

・防水じゃないスマホ用。リュックの中までぬれるレベルの強い雨が降ります。色々使えて便利。

☆☆☆折りたたみ携帯イス。場所取りの待機時間に便利、雨が振ると腰を下ろす場所が極端に少なくなるので長丁場のフェスには必須。

仲間との拠点用にする中型のアウトドアチェアと、リュックに入れられる軽くて携帯性が高いものを併用するのがベター。

雨が降るとぬかるんだ地面に座れない。最前列確保のための長い待ち時間も快適です。

 

リュック、スマホ(携帯電話)、ペットボトルフォルダー、携帯用充電電池、双眼鏡、財布、ハンドタオル、ハンカチ、虫除けスプレー、キンカン、頭痛薬、胃腸薬、各種サプリ、携帯ティッシュ、時計、夜用の上着、軽食、携帯灰皿、ビニール袋(ゴミ用)、帽子(山用がオススメ)、明け方まで長居するひとは防災用のアルミブランケット(エマジェンシー・ブランケットなど)があると寒も凌げる。

<宿編>

☆☆☆電源タップ(スマホ充電争奪戦回避)

 

☆☆☆湿布・ヴァンテリン等

運動不足の人はとってもヘビーな移動になる場合も。フル参戦する人には毎日のケアが必須。

☆新聞紙

ぬれた靴の給水、泥とりなど。

△自転車

折りたたみなど自転車を持参できる環境があれば、ゲートまでかなりの体力温存になる。ゲートに近い駐輪場が使用できます。友人のフジロッカーN氏 は毎年ワゴン車で自転車を積んで苗場入りしてます。

☆公式パンフレット

見るアーティストが決まっていない場合のナビにもっとも有効な情報源。

☆フジロック専用アプリ

今年もi-FLYERのが良さそうです。お気に入りのアーティストにチェックしておけば、自分用のタイムテーブルが作成され、事前にスケジュールで悩めます。

着替え(靴下、Tシャツは多めに)、タオル、各種アメニティ。ドライヤー(部屋に一人持参すると便利)、保健証(もしもの怪我・病気に)、神経質な方は耳栓、アイマスクなど。

アマチュアバンドにありがちな風景

③会場内の移動&トイレテクニック

移動

細かな詳細は公式ホームページで確認頂くとして、ステージが複数あり同時進行で多くのミュージシャンがプレイするスタイルは誰もが完全制覇できないインタラクティブなもの。お目当てのアーティストだけピンポイントで見てのんびりするもとにかく気になる音楽は徹底的にチェックするもその人次第。結構同じ時間にだぶってしまったりと悩ましい事態もしばしば。

メインゲートから一番奥のステージのCafe’ De Parisで歩いて40分前後かかります。あくまでもそれはスムースに移動できた場合。集客力が上がるアーティストが多く出演する夕方以降の時間、WHITESTAGE付近は最大注意スポットです。最大収容のGREENSTAGEから流れてくる人とFIELD OF HEAVENなどの奥地にあるステージから1GREEM方面に帰ってくる流れなどで渋滞になるタイミングがあります。トリのWHITESTAGEは満員で入場規制になり、通過するのに困難なことも。今年はケミカル→トムヨーク移動時間帯は間違いなく地獄絵図になる危険性あります。

19時過ぎからのFIELD OF HEAVENからGREENSTAGEへの移動は余裕を見ておかないと、間に合わない場合があるので注意。

気になるアーティストを沢山チェックしたい体力のある若者なら、一番前でステージを見ていてもラスト2曲前には最後列に移動し次のステージに繋がる道で待機 or 最後の曲を演奏し終える前に移動を開始がスムースです。オーラス間際の盛り上がる時間帯に離れがたいけど、沢山観たい人には必要なテクニック。何よりも人気アーティストが終わった直後に大量移動が起こるのですから。くれぐれも一方通行のボードウォークを逆走する反則はやめましょう。ピースフルな空間で溢れるフジにちょっと嫌な感情が混ざり、人に与えた不快な想念の報いを受けます。

トイレ

ゲートとGREENSTAGEの中間にあるトイレは入り口、GREENSTAGE、最大のフードコートOASISに挟まれ終日かなりの混雑ですので数十分待たされるケースもあります。GREENSTAGEの演奏中がもっとも空くタイミング。穴場はFEILD OF HEAVENとGYPSY AVARONの間にあるトイレ。HEAVENが演奏中に行くのがベストタイミングです。

ORANGECORT内のトイレは遠くから足を運んで目に入る位置にあるため、割と混雑するケースが多い。マナーもあるのでくれぐれも草影で用を足したりしないように。トイレットペーパーはしっかり補充されていますが最終日の夜の時間は故障するトイレなどもあり注意を。少しでも尿意があったら前倒しで済ませておくことがポイント。イケメン外人にナンパされるタイミングでもありますので期待してください(笑)。奥のステージほど演奏中に混雑するケースは少ないです。移動テクニック同様、盛り上がっているタイミングで使用することがポイントです。

④並ぶといえばグッズ売場

出演アーティストのグッズといえばTシャツでメインの売場は例年2カ所。場外駐車場近くのSHOPエリア、GREENSTAGE脇の小高い丘にある専用売場の2カ所。これは中々空いているタイミングを見つけるのが難しい。30分は並ぶ覚悟で購入しよう。空いているタイミングを見計らっていると結局売り切れてしまったりする。初日に早めに並ぶか完全に見たいアーティストがいない時間帯を決めておこう。ビニール袋はくれるけれど新品のシャツが土砂降りで濡れてしまわないようにバッグないのビニール等用意も忘れずに。クレジットカードや電子マネー各種も使えます。

⑤出演アーティストに出会う?

FUJIROCKといえばフェスのステイタスも高く、出演者以外にも芸能人と遭遇できます。13年は広末涼子とかバンド結成前のYUIとかの姿も。外人アーティストはレッドマーキーの近くには多く出没。中にはステージ衣装のまま他のバンドの演奏を観にきていたりする。運が良ければ写真や握手、サインもゲットができる。外人なので顔の判別が難しいのでガチのファンじゃないとね。各ステージのPA(音響)テント付近に日本人のアーティストがお目当てのバンドを観にきたりする。勝手に写メとかはやめましょう。

その他はオアシスのテントでラジオの公開中継など。クリス・ペプラーが拝めるし、ゲストアーティストが出演する時間帯も。苗場食堂の座敷もアパレル系の経営者とかプチ有名人もちらほら。場外のCRYSTALPLACE TENT 廻りのバーも夜の時間帯はモデル風の女の子を連れ回す業界人も多い。著名アーティストや芸能人が飛び入りでDJプレイするケースも。

⑥アーティストへの思い入れ

インタラクティブなライブスタイルなので、座席指定などはありません。東京ドームでは最前列で見ることができないビッグアーティストも2つ前の出演者から張り付けば最前列をキープできる。雨の中、同じ場所に数時間居座り続けるのは相当な忍耐力がいるので、フェスにつき合わした友人にそれを強要するのはやめましょう。天候がよければ遠くで草原に寝そべりながらビールを片手BGM感覚で聴くこともできる。これはまた別の意味で贅沢。FUJIROCKはLIVEパフォーマンスに魅力があるミュージシャンしか出演オファーを出さないと思われ、どんな無名のバンドでも人の心を開かせる生演奏マジックを起こせる出演者が満載。ふと流れてきたバンドのファンになってしまうことも普通。自身にとって新しい音楽に出会える場所。

⑦その他

チケット忘れたらどうするの?

→基本は絶対に忘れないでください。以前あった救済措置はその場でもう一度チケット代金を払う。後日、忘れたチケットから換金するという対応。お金がないとアウトです。

怪我したらどうするの?

一応救護室みたいなテントがあり、簡単な手当と横になるスペースはある。モッシュとかで骨折したら自身で医者に行くしかないのでムリはしないように。特にGREENSTAGEの最前部は下もコンクリート舗装されているからモッシュとかをすると大けがをする恐れがある。筆者の友人は骨折したまま車を運転して帰った。

山なので虫はいます

深い山の中なので色んな虫が存在します。ブヨや蜂、ヤブ蚊などにさされるリスクはある。長袖で虫除けもしっかりと。(と、執筆している筆者は完全防備していたにも関わらず一昨年、2017やられました。ズボンについていたまま長靴まで侵入されたらしい。3日目に体が震え吐き気があり、足が痛くすこぶる体調が悪いと思ったら、虫さされ(何に刺されたかは不明)が原因。次の日パンパンに晴れて(約一か月腫れが引かず)高熱を出してダウンしました。今年は天気良さそうなので特に対策すべし。

 

ガンガン観る人はとにかく体力が要ります。日頃から歩く機会の少ない人にはかなりのダメージ。体力確保やペース配分が大事です。お酒が入ったり生活リズムが急に変わるのでしっかり睡眠をとりましょう。

新幹線

越後湯沢から東京方面への新幹線、日曜日の夜や月曜日の午前中は指定を確保できない場合は東京まで座れないという覚悟で利用しましょう。

宅急便

クロネコヤマトが出張所を出してくれています。帰りは大きな荷物を直送もできます。

GAN-BAN SQUARE

最終日の深夜に登場するDJはなかなかマニアックで面白い人が多いように思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?公式ガイド等にはあまり情報のない部分のフォローをさせていただきました。ご飯も色々と美味しいところが沢山あって毎年楽しみです。毎年苗場から山道を車で降りながら「あ~あ、下界にもどってきちゃったね」とフェス友と顔を見合わせています。

天気が良ければ、酒と音楽好きには完全な天国。ですが、冒頭にも書いた通り雨が前提で望まないと結構大変です。素敵な音楽に出会えることは間違いないのだけど、森の中でゴロゴロできる開放感があるのとないのでは雲泥の差なんですよね。そんな天国に今年も出会えると良いですね。

(2019年7月訂正、加筆)

SoundRefomer@yamakaWA!!!

音楽・音声のリフォームサービス「HybridSoundReform」代表の山川です。 東京コンセルヴァトアール尚美 音響芸術課卒業。 高校卒業後、レコーディングエンジニアを志し同校に入学。在学中に作曲制作に目覚め卒業後は本格的に作編曲活動を開始。バンド活動をスタート。音楽プロデューサー久保田さちお氏の支援を受け、日本コロンビアよりミニアルバムを発表。 バンド解散。その後結成したユニットで数社のオーディションに通過、TBSの深夜番組「デジ屋台」出演などを果たすも大きな反響には至らず音楽活動をフェードアウト。100曲近くの楽曲を残しサラリーマンとして第二の人生を歩む。 インテリア業界でキャリアを重ね上場会社の営業本部長に就任。実家に帰省時、バンド時代の古いVHSテープを発見したことから音質改善の可能性に目覚める。 2015年 録音物の修復・改善・高音質化を手がける 「ハイブリッド・サウンド・リフォームドットコム」設立。

This website uses cookies.