ピアノのセルフレコーディング作品のノイズ軽減事例

プロ・アマ問わず録音された演奏のハイブリッド化を提唱しているサウンド・リフォーマーの山川です。先日、リニアPCMレコーダーで録音した音源のリフォームを承りました。 クライアントはオリジナル楽曲を製作し発表され活動しているピアニスト。都内のリハーサルスタジオに常設されているアップライトピアノを利用しセルフレコーディング(ハイレゾ96k/24bit)された作品です。 配信を検討されており、全体的なヒスノイズ軽減と気になる演奏外ノイズ(演奏中のカサっという物音)を除去をしたいという依頼でした。安価な機材で手軽に楽器録音できる時代ですが、作品として発表するならマスター音源の完成度はやはりブラッシュアップしたいもの。

リニアPCMレコーダー利用の生ピアノ録音につきまとう音声ノイズ

生楽器のソロ演奏は繊細な音色のため、オーディオ編集する際は最も緊張感があります。簡単に除去できるヒスノイズも削り方によっては音色への影響が大きいからです。 クライアントの「ノーメイクの良さ(演奏)」を味わっていただきたいとのコンセプト。生々しさを活かすためペダルノイズや爪ノイズは残したいとのご要望でしたので、「カサっ」というピアノ演奏と関連のないノイズをいかに目立たなく溶け込ませるかという処理を行いました。 これらは音声ノイズ処理を僕はizotopeのRXというオーディオリペアツールで行います。RXは音質補正プラグインの集合体。聴感上で判断がつきにくいハムノイズや瞬間的なクリップノイズまで解析・可視化し、除去できる優れもの。オーディオ素材をまるでフォトショップのように消したりぼかしたり、切り貼りしたりすることができます。  アコースティック楽器のプレイヤーは繊細な耳をお持ちな方が多く、音色変化にとても敏感。ヒスノイズの改善もギリギリ薄く削ったサンプル、それを数度繰り返し軽減させたサンプルを複数提示しノイズカットによる楽器の音色変化や、処理後に残る音声ゴーストのチェックをいただきました。 「カサっ」というノイズは完全に消去してしまうと、演奏素材のオーディオが「ツギハギ」のような感じになってしまうため、いかに自然に演奏に馴染ませるかがポイントになります。これは加工するための技術的な部分より、音楽的な部分も含めた編集ディレクションが必要です。

やっぱりマスタリング版の方がいい?

クライアントにテスト・オーディオを試聴いただいた際、マスタリングについて質問がありましたので、お預かりしたオーディオファイルの状態から、私なりの処理イメージを回答させていただいたところ、ご興味頂きマスタリングバージョンも提案をさせていただくことになりました。

ピアノ素材のマスタリング

アコースティック楽器のマスタリングはロックやポップスと違って、0dbギリギリに突っ込む音圧上げのためのリミッター類を原則的に行いません。プロのレコーディングエンジニアが生ピアノを収録する場合は後加工が発生しないよう、「録り音」に全神経を傾けマイクチョイス、セッティング(アンビエンスマイクなども含む)、プリアンプのセレクトなど、収録時に音色を確定すべく音作りを進めます。 しかしリニアPCMレコーダーでのセルフレコーディングでは、経験豊富なエンジニアのように柔軟な音作りを並行しての録音は困難。やはり二次的な加工をしたほうが、結果クリエイターの作品グレードが向上するケースが多いです。

マスタリングの基本方針(ピアノのセルフレコーディングケース)

劇的に重いUADのManley-PassiveEQ

素材イメージを殺さないため、積極的音作りというよりはオーディオとしてのネガティブな要素を回避するためのもの。最低限のローカットやごく微弱なEQが基本。民生機録音の独特の音質癖を軽減させるためのポイントを細かく探し当てます。 リニアPCMレコーダー自体に内臓されている、音色を決定づける内臓マイクマイクプリアンプが持つ癖。個人的には中高域がギラつくケースが多いと感じており、緩やかなカーブでマイナスEQしたりします。 エミュレートされたプラグイン、真空管系プリアンプやヴィンテージアナログテープなど、名器と呼ばれる機材を通すことでオーディオを色付けすることで一皮剥けたようなグッと格調高いマスター音源に仕上がります。 素で録音されたオーディオと比べ、ピアノ自体の倍音成分のバランスに変化がありコードの響きも変わってきます。クライアントに心地いいと感じてもらえそうな提案を数パターン提示させていただきました。マスタリングサービスは様々なグレードで探すことができますが、ピアノソロを手がける手軽なマスタリングサービスはあまり見かけません。

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コストパフォーマンスは最高と言われたい

通常、音が荒れがちなライブ音源を手がけることが多いため、スタジオ録音されたものはネガティブな修復要素は少なく、手数が減ることで見積もりが低くなる傾向にあります。 目立ったノイズも数箇所のみだったため、当サービスの最低見積額でお引き受けしました。もともとはノイズ除去でオーダーを頂いておりましたが、結局は提示させていただいた2パターンのマスタリング音源を気に入ってくださり、マスタリング版を2曲の完全版をご依頼頂きました。 ハイブリッド・サウンド・リフォームでは様々な環境で収録された音源を手がけ、ベターに改善するためのスキルを更新させています。これは、常にハイグレード環境でマスタリングを手がけるメジャーアーティストを手がけるエンジニアさまとは一線を画すポイントです。 ジャンルを問わず幅広い音楽作品に精通したサウンド・リフォーマーがクライアントのマスターイメージに近づけるため、丁寧に音作りの提案を致します。

自宅やリハーサルスタジオでしか収録チャンスはないけれど、ホールで収録したかのような質感をヴァーチャル的に再現する、ミックス作業も承っています。

ソロ楽器をセルフレコーディングされるミュージシャンはぜひハイブリッド・サウンド・リフォームをご利用ください。限られたレコーディングデータから、その音楽に価値を与えるマスタリングをトライアル無料で提供いたします。 マスタリングや音声ノイズ処理をすることによって、格調高いマスター音源を仕上げてみませんか。マスタリングに興味を持っている初心者の方も手軽にお問い合わせください。

  音楽Hi-TeQ HybridSoundJournal.net 最後までお読みいただきありがとうございました。 〜こちらの記事も合わせてどうぞ〜 ハイレゾフェスティバルで松任谷正隆さんの話を聞いてきた レコードやCDは奇跡的なフォーマットだったということ 音楽SEO対策①YouTube投稿で必ず押さえておくポイント

SoundRefomer@yamakaWA!!!

音楽・音声のリフォームサービス「HybridSoundReform」代表の山川です。 東京コンセルヴァトアール尚美 音響芸術課卒業。 高校卒業後、レコーディングエンジニアを志し同校に入学。在学中に作曲制作に目覚め卒業後は本格的に作編曲活動を開始。バンド活動をスタート。音楽プロデューサー久保田さちお氏の支援を受け、日本コロンビアよりミニアルバムを発表。 バンド解散。その後結成したユニットで数社のオーディションに通過、TBSの深夜番組「デジ屋台」出演などを果たすも大きな反響には至らず音楽活動をフェードアウト。100曲近くの楽曲を残しサラリーマンとして第二の人生を歩む。 インテリア業界でキャリアを重ね上場会社の営業本部長に就任。実家に帰省時、バンド時代の古いVHSテープを発見したことから音質改善の可能性に目覚める。 2015年 録音物の修復・改善・高音質化を手がける 「ハイブリッド・サウンド・リフォームドットコム」設立。

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